NUMBERS / DEFINITIONS
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数字の定義(KPI・予算)
MKTG.AXの記事・資料・ツールは、すべてこのページの式と基準で計算しています。知りたい指標の見出しから読んでください。記事・ツールの指標名のリンクからは、その見出しに直接移動します。
計算例の数字は、「モデル企業の成長期の施策と数字」の架空の会社のものです。業界の平均や目安ではありません。
01共通のルール
単位、使う用語、費用への人件費の入れ方を決めています。どの指標も、このルールの上で計算します。
| 項目 | このサイトでの定義 |
|---|---|
| 単位 | 金額は万円。時間単価だけは円で表示します。 |
| 受注 | 新規の顧客からの受注です。 |
| マーケ経由 | 営業の商談管理表の「きっかけ」(最初の接点)が、展示会・Web広告・自社サイト・メール・セミナーの商談と受注です。 |
| 平均単価 | 新規1社との1年間の取引額の平均。回収期間とCACの上限は、チャネルを問わず全社の平均単価で計算します。 |
| 費用 | 外部に払う費用と、人件費の合計です。 |
| 端数 | 計算は丸める前の値で行い、結果だけを丸めて示します。 |
02人件費を入れる
費用には、外部に払う費用に加えて人件費を入れます。内訳がわかるときは「外部費用・人件費・合計」の3行で示します。
経営は人件費も含めて投資を見ています。外部費用だけで計算すると、記事制作・MAツールの運用・ウェビナーなど、社内の時間を多く使う施策が実際より安く見えてしまいます。
まだ人件費がわからないとき
施策ごとの人件費の配り方
マーケの人件費は、施策と共通の作業にかけた時間に、人ごとの時間単価をかけて出します。施策ごとの人件費は、その施策にかける時間の割合で配ります。
- 施策+共通作業の時間 × 時間単価人ごとに計算して合計 = マーケの人件費
- その施策の時間 ÷ 全施策の時間= その施策にかける時間の割合
- 時間の割合 × マーケの人件費= 施策の人件費
成長期の例:370 × 展示会120時間 ÷ 施策の合計742時間 = 人件費60万円
- 共通の作業(集計・報告、営業との連携、予算づくり)の時間は、施策の時間の比で配ります
- マーケの人件費には、施策に協力する営業の時間も含めます
- 施策と共通の作業のどちらにも入らない時間(社内の会議など)は入れません
03目標の逆算
全社の売上目標から既存顧客の売上とマーケ以外の見込みを引いてマーケ経由の売上目標を出し、受注件数・商談数・リード数を順に割り戻します。
| 目標 | 式 | 計算例(成長期) |
|---|---|---|
| 新規の売上目標 | 全社の売上目標 − 既存顧客の売上 | 152,500 − 138,000 = 14,500 |
| マーケ経由の売上目標 | 新規の売上目標 − マーケ以外(紹介・営業の開拓)の見込み | 14,500 − 11,500(46件 × 250)= 3,000 |
| 受注件数 | マーケ経由の売上目標 ÷ 平均単価 | 3,000 ÷ 250 = 12件 |
| 商談数 | 受注件数 ÷ 受注率 | 12 ÷ 28.6%(受注12 ÷ 商談42)= 42件 |
| リード数 | 商談数 ÷ 商談化率 | 42 ÷ 14.7%(商談42 ÷ リード285)= 285件 |
率の取り方
04判定の指標
費用(人件費込み)が見合っているかを判定する指標です。すべて費用の合計で計算します。
CPL
リード1件の獲得にかかった費用(人件費込み)。
CPL = 費用 ÷ リード数
モデルでの例 / 成長期
4.5
万円 / 件
1,280 ÷ 285
判断・注意
受注が出る前の期の途中でも施策を比べられます。施策ごとの受注件数は少なくぶれやすいため、施策の判定はCPLで行います。
CAC
新規の受注1件の獲得にかかった費用(人件費込み)。
CAC = 費用 ÷ 受注件数
モデルでの例 / 成長期
107
万円 / 件
1,280 ÷ 12
判断・注意
受注1件のためにいくら使ったかを示し、回収期間とCACの上限の判定のもとになります。外部費用だけでは人手のかかる施策のCACが低く出るため、人件費を含めます。
ROI
1年間の受注の粗利から費用を引いた額が、費用の何倍かを示す割合。
ROI =(受注金額 × 粗利率 − 費用)÷ 費用
モデルでの例 / 成長期
−6
% / 1年
(3,000 × 40% − 1,280)÷ 1,280
判断・注意
売上ではなく粗利で、費用を取り返せたかを見ます。予算も経営の評価も年度で決まるため、期間は1年。製造業の取引は数年続くので、1年ではマイナスになることもあります。隠さず、回収期間と並べて示します。
回収期間
受注1件の費用(CAC)を、その1社の粗利で取り返すまでの月数。
回収期間(か月)= CAC ÷ 1社あたりの月の粗利 1社あたりの月の粗利 = 平均単価 × 粗利率 ÷ 12
モデルでの例 / 成長期
12.8
か月
107 ÷(100 ÷ 12)
判断・注意
経営は「いつ取り返せるか」で投資を判断します。1年のROIがマイナスでも回収の時期を示せるため、経営への説明の主役にします。
CACの上限
受注1件の獲得にかけてよい費用(人件費込み)の最大額。
CACの上限 = 1社あたりの年間粗利 × 取り返す年数
モデルでの例 / 成長期
150
万円
年間粗利100 × 取り返す年数1.5年
判断・注意
取引年数(モデルでは5年)をすべて見込むと、上限が甘くなります。何年で取り返すかは経営と先に決めておきます。1.5年はモデルの記入例として決めた値です。
許容CPL
CACの上限を、リード1件あたりに直した額。
許容CPL = CACの上限 × 商談化率 × 受注率
モデルでの例 / 成長期
6.3
万円 / 件
150 × 商談化率14.7% × 受注率28.6%
判断・注意
施策のCPLがこの額以下なら、受注の段階でCACの上限に収まる見込みです。受注が出る前の期の途中でも判断できるよう、リードの段階に割り戻します。率は今期の実績を使います。
施策の判定
施策のCPLを許容CPLと比べ、許容CPL以下なら「上限内」、超えたら「上限超え」とします。
施策のCPL ≦ 許容CPL → 上限内
施策のCPL > 許容CPL → 上限超え
モデルでの例 / 成長期
上限内
展示会:CPL 2.8 ≦ 6.3
上限超え
新しい業種向けLP+広告(試行):CPL 7.0 > 6.3
判断・注意
施策ごとの受注件数は少なく、1件の差でCACが大きく変わります。そのため、判定はCPLで行います。施策ごとに見ると上限内でも、共通の費用(MAツールなど)を含めてチャネルで集計し直すと、上限を超えることがあります。施策とチャネルの両方で見ます(モデルでの例)。
撤退の判断
施策を続けるか止めるかを決める線。判定する月以降、毎月、開始月からの累計で見ます。
施策のCPL > 許容CPL かつ リード数 < 目標の90% → 撤退を検討
それ以外 → 続ける
決め方
開始月
その施策の目標を最初に入れた月
判定する月
開始月+6か月
判断・注意
判定する月より前と、費用を入れていない施策は判定しません。CPLとリード数はリードの段階で確定する数字なので、商談・受注までのリードタイムは加味しません。
05経営への説明の順番
経営への説明の主役は回収期間です。1年のROIは並べて示します。
- 1回収期間12.8か月受注1件の費用を何か月で取り返すか。
- 21年のROI−6%回収期間と並べて示す。マイナスでも隠さない。
- 3上限による判定CAC 107 ≦ 上限150CACの上限と許容CPLで判定。上限超えの施策と、その扱いを示す。
計算例は架空の会社の成長期。説明の一文の例は「モデル企業の成長期の施策と数字」にあります。
063つのシナリオ
予算案は、費用ではなく率を変えた3つのシナリオで示します。
| シナリオ | 商談化率 | 受注率 |
|---|---|---|
| 悲観 | 今期の実績から2割下げる | 今期の実績から2割下げる |
| 標準 | 今期の実績の率 | 今期の実績の率 |
| 楽観 | 今期の実績から2割上げる | 今期の実績から2割上げる |
率を変えるのは、費用より率のほうが見込みから外れやすいためです。2つの率を同じ幅で動かし、どこまで外れても上限内に収まるかを確かめます。
07使わないもの
MKTG.AXでは、次のものを使いません。それぞれ理由を書きます。
- 予備費使い道の決まっていない枠は説明できず、削られやすくなります。期中に足りなくなったら、追加予算の稟議で扱います。
- LTVから出す許容CPL数年先の取引を前提にするので、上限が甘くなります。年間粗利と取り返す年数から出すほうが、経営と合意しやすくなります。
- 限界CPLリード数が少ない部門では、1件増やすのにかかる費用を安定して測れません。
- 「粗利 ÷ 費用」のROI費用を引かないため、プラスでも赤字のことがあり、損益を読み違えやすくなります。
- 業界の広告宣伝費の比率との比較自社の売上目標や受注の目標とつながらず、予算の根拠になりません。
- 「LTV/CAC 3以上」という一律の基準一律の基準として使える根拠がありません。自社の年間粗利と取り返す年数から、CACの上限を出します。
