リードタイムとは?
リードタイムとは、ある工程を始めてから終えるまでにかかる時間のことです。製造や物流では、発注から納品まで、生産の開始から完成までの時間を指します。 マーケティングや営業では、リードを獲得してから商談になるまで、商談が始まってから受注するまでなど、段階の間にかかる日数を指して使います。 B2Bは購入の決定に複数の人が関わり、社内の稟議もあるため、リードタイムが数か月に及ぶこともあります。リードタイムを把握しておくと、施策の効果がいつ受注に表れるかを見込めるため、予算や目標を立てるとき、施策の成果を評価する時期を決めるときの根拠になります。見込み客を意味する「リード」とは別の意味の言葉です。
リードタイムに関する記事・資料
リードタイムに関連する記事1件・資料1件。
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リードタイムが必要になる課題
- 年間の目標を12で割って毎月の目標にしたが、展示会やウェビナーのある月とない月で、予実が大きくぶれる。
- 期のはじめの数か月、リードは目標どおりなのに商談や受注が少なく、経営陣に説明できない。
- 施策を始めて3か月で「成果が出ていない」と言われるが、そもそも受注まで何か月かかるのかがわかっていない。
- 施策ごとのROIを月次で出すと、費用を使った月だけ悪く見え、続けるか止めるかを決められない。
構成要素・分類
段階ごとのリードタイム
リードから受注までの期間は、段階ごとに分けて測ると、どこで時間がかかっているかがわかる。
| 段階 | 始まり → 終わり | 長くなりやすい理由 |
|---|---|---|
| リード → MQL | リードを獲得した日 → 営業に渡す条件を満たした日 | 関心が低いまま、育成のメールや連絡が止まっている |
| MQL → 商談 | 営業に渡した日 → 商談として追うと決めた日 | 営業からの連絡が遅い、相手の検討の時期が先 |
| 商談 → 受注 | 商談にした日 → 契約した日 | 決裁に関わる人が多い、単価が高い、予算の時期を待っている |
業務の分野ごとの意味
| 分野 | 何から何までの期間か |
|---|---|
| 営業・マーケティング | リードの獲得(または初回の接点)から受注まで |
| 製造 | 材料を仕入れてから製品ができあがるまで |
| 調達・物流 | 発注してから納品されるまで |
一般に「リードタイム」は製造や物流の意味で使われることが多い。マーケと営業の会話では、「どこからどこまでか」を最初に決めておくと、数字の食い違いが起きにくい。
計算式・判定基準
リードタイムの出し方
| 指標 | 計算式 | 見ること |
|---|---|---|
| 平均リードタイム | 受注した案件の「受注日 − リード獲得日」の合計 ÷ 受注件数(日または月) | 受注までにかかる、おおよその期間 |
| 中央値 | 受注した案件のリードタイムを短い順に並べた、真ん中の値 | 極端に長い案件に引っぱられない、ふだんの期間 |
| 何か月後に何割か(分布) | 受注した案件を「獲得から何か月後に受注したか」で数え、全体に対する割合を出す | 月別の計画で、どの月に何割を置くか |
失注した案件は受注日がないため、受注までの期間には入れない。一度止まってから再開した案件は、期間が極端に長くなるため、分けて見るか中央値で確かめる。CRMの記録がまだ少ないときは、営業の担当者に聞いた期間を仮に置き、記録がたまったら置きかえる。
月別のKPI計画でずらす
月別の目標は、受注の月からリードタイムの分だけ前にずらして置く。年間の目標を12で割ると、施策のある月とない月の差や、ずれの分が見えなくなる。
ずらし方は、段階ごとの期間を決めて、順に後ろへ送る。
- MQL:リードと同じ月
- 商談:MQLの翌月に6割、翌々月に4割
- 受注:商談の3か月後
この置き方で、10月の展示会でリード120件を集めた場合は次のようになる(MQL化率25%、商談化率40%、受注率25%)。
| 月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| リード | 120 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| MQL | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 商談 | 0 | 7 | 5 | 0 | 0 | 0 |
| 受注 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 |
10月のリードが受注になるのは2月と3月で、10月の受注は、それより前の月に集めたリードから生まれる。こうして施策ごとに「その月に起きる件数」を足し合わせたものが、月別のKPI計画になる。
期をまたぐときは、次の2つに気をつける。
- 期のはじめの数か月の商談と受注は、前期の終わりに集めたリードから生まれる。前期末のMQLと商談の数を、持ち越しとして計画に入れる。
- 期末からリードタイムを引いた月より後に集めたリードは、来期の受注になる。今期の受注を増やしたいときは、その月より前にリードを増やす。
ROIを見るときの時期
費用を使う月と受注の月がずれるため、ROIは「いつの数字で割るか」で結果が変わる。
| 見方 | 計算式 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| その月の数字で見る | その月の受注による利益 ÷ その月の費用 | 全体の月次報告。展示会の月や、施策を始めた直後は低く出る |
| 費用を使った月の案件を追う | ある月の施策から生まれたリードの、受注による利益 ÷ その月の費用 | 施策ごとの評価と、続けるか止めるかの判断 |
上の展示会の例では、10月の費用280万円に対する受注は2月と3月の3件(900万円)で、10月だけを見ると受注は0件になる。施策の評価は、費用を使った月からリードタイムが過ぎ、受注がおおむね出そろった月に行う。ROIの式は「(受注による利益 − 費用)÷ 費用 × 100(%)」で、利益は受注金額に粗利率をかけて出す。
似た用語との違い(セールスサイクル・納期・回収期間)
| 用語 | リードタイムとの違い |
|---|---|
| セールスサイクル | 商談の開始から受注までの、営業の一連の流れや期間を指すことが多い。営業のリードタイムとほぼ同じ意味で使われるが、リード獲得からの期間を含めない場合がある |
| 納期 | 商品やサービスを届ける期限の日付。リードタイムは期間で、納期は日付 |
| 回収期間 | 投資した費用を、受注から生まれる利益で取り戻すまでの期間。リードタイムは受注までの期間で、回収期間は受注した後の利益まで含めて見る |
関連用語
リードタイムを扱うときは、次のような考え方も合わせて押さえておくと理解が深まる。
いずれも、リードタイムを知ったうえで「どの月の数字を、どの月の成果として見るか」を決めると、正しく比べられる。
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