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KPI設定の例|BtoB企業8社の公開事例で見る、問い合わせ・商談・リードのどれをKPIにするか

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目次

自社のKPIを決める前に他社の事例を見ておきたいのに、検索しても出てくるのは指標の一覧や架空の例ばかりです。本当に知りたいのは、実在の会社がどの数字を追い、なぜその数字に決めたのかという具体的な実例ではないでしょうか。

この記事では、製造業を中心に、BtoB企業8社の公開事例を紹介します。あわせて、自社に当てはめてKPIを1つに決めるときの確かめ方もまとめました。

👉
この記事でわかること
  • BtoB企業8社が、問い合わせ・案件・リードのどの数字を追っているか
  • その数字を選んだ背景(体制、営業との役割分担、売り方)
  • 自社の状況から、KPIにする数字と参考にする事例を選ぶ方法

BtoB企業の事例でマーケが追っている数字は3つに分かれる

公開されている事例を並べると、マーケが追っている数字は3つの形に分かれます。8社の事例から見えるのは、マーケが自分で数えられる範囲に合わせて数字を選んでいる、という傾向です。営業に渡したあとの結果をつかめている会社は、問い合わせの先の案件や、受注までの数字とのつながりも見ています。

追っている数字の形事例で挙げられている数字事例の会社会社の状況
問い合わせ・Webの数字新規問い合わせ件数、アクセス数、資料ダウンロード数関東製作所、太陽パーツ、マルホ発條工業、キトーマーケを始めたばかり。担当が1人か、営業との兼務の会社が多い
案件の数新規案件の件数トーテックアメニティマーケとインサイドセールスを立ち上げ、営業と役割を分けた
リードの数と、受注までのつながり獲得リード数、リードの質、受注額シャノン、ピー・シー・エー、ハーモリードの数だけで判断せず、受注までの数字と合わせて見ている

立ち上げの段階では、問い合わせ件数とWebの数字を追っている

マーケを始めたばかりの会社は、マーケだけで集計できる数字を追っています。問い合わせ件数やアクセス数は、営業の協力がなくても毎月数えられるからです。

製造業の4社の事例を並べると、次のようになります。

会社体制挙げている数字成果として触れていること
関東製作所(金型・成形、202名)マーケ未経験の1人。のちに3名新規問い合わせ件数、月間セッション数、平均セッション時間新規問い合わせは「年3件あればよいほう」から、2022年に年350件超
太陽パーツ(ダイカスト部品、101〜500名)営業部の主任がDXの担当を兼務アクセス数、問い合わせ件数問い合わせは月8〜9件から月平均21件。新規契約が4〜5件
マルホ発條工業(精密ばね、318名)専門部署なし。営業5名が兼務ホームページの訪問回数、月2回以上訪れる人の推移、メルマガの開封率商談が8件ほど。数千万円規模の受注
キトー(ホイスト。代理店を通した販売)記載なし訪問者数、資料ダウンロード数、問い合わせ件数訪問者数が13〜15%増、資料ダウンロードが月500件

出典:SATORI 関東製作所の事例、SATORI 太陽パーツの事例、SATORI マルホ発條工業の事例、HubSpot マーケティングオートメーション導入の成功事例12選(キトー)

問い合わせ件数をKPIにするときは、その先の商談と受注も数えておく

4社のうち太陽パーツとマルホ発條工業は、問い合わせやアクセスを追いながら、成果として新規契約や商談・受注の件数にも触れています。太陽パーツは、会議で数字を報告するようになってから、社内の反応が変わったと話しています。問い合わせ件数だけを報告するよりも、その先の商談や受注まで示すほうが、マーケの成果として伝わりやすくなります。

そのため、立ち上げの段階で問い合わせ件数をKPIにするときは、その先の商談と受注を数える手段も同じ期に用意します。たとえば、営業の商談管理表に「きっかけ」の列を足してもらい、問い合わせから生まれた商談に印を付けてもらう方法です。これがあれば、次の期には商談の数をKPIにできます。

Webの数字を追うと、顧客のニーズがわかるようになる

キトーは、代理店を通して売っていたため、顧客のニーズを直接つかめていませんでした。ホームページに資料ダウンロードを加えたことで、顧客の具体的なニーズがわかるようになったと話しています。どの資料が読まれ、どんな問い合わせが来るかを追うと、顧客が何に困っているかが見えてきます。代理店経由で売る会社のように、顧客と直接話す機会が少ない会社では、Webの数字が顧客のニーズを知る手がかりになります。

リードの数を追う会社は、受注までの数字とのつながりもあわせて見ている

事例の中には、リードの数をマーケの数字にしている会社もあります。3社に共通するのは、リードの数だけで判断していないことです。

会社マーケが追っている数字受注までの数字との関係
シャノン(マーケティングツール)獲得リード数会社全体では、受注・商談・アポイント・応答・フォローの5つの数字を追っている。マーケの獲得リード数が、この5つとつながっていることを確かめている
ピー・シー・エー(業務ソフト)最初はリードの数。のちにリードの質へリードの数をKPIにしたため、施策を打つほどインサイドセールスに渡るリードが増え、対応しきれなくなった。Webでの行動からリードに優先度を付ける形に変えた。MRRは5倍以上に
ハーモ(成形品取出ロボット)Web経由の見込み客紹介に頼る営業から、提案型の営業に切り替えた。見込み客は従来の問い合わせの約3倍になり、受注額は想定の3倍以上に

出典:MarkeZine「忙しいBtoBマーケターこそ押さえておきたいKPIの管理方法」(シャノン)、HubSpot ピー・シー・エーの事例、HubSpot マーケティングオートメーション導入の成功事例12選(ハーモ)

ピー・シー・エーの事例は、リードの数をKPIにしたときに起こりうることを示しています。マーケが数を増やすほど、受け取る側の対応が追いつかなくなります。少人数の会社なら、受け取る側は営業の数名です。リードの数をKPIにするなら、営業が月に何件まで対応できるかを先に聞いておきます。

シャノンは、リードの数を追いながら、商談や受注までの数字とのつながりを確かめています。リードの数をKPIにするのは、リードが増えれば商談と受注も増えることを、自社の数字で確かめられたときにします。

📌参考:マーケ部門が重視しているKPIの順位

BtoBのマーケティング担当者190名に、部門が重視しているKPIを順位で聞いた調査では、1位は「新規リード獲得数」で32.1%、2位は「受注率」で11.1%でした。リードの数を1位に挙げる部門が最も多くなっています。

出典:IDEATECH「BtoBマーケティング担当者の受注率に関する意識調査」(n=190、2024年9月4日〜6日実施)

営業との役割を分けると、マーケが渡す案件の数を追える

誰がリードに連絡し、商談になったかを誰が記録するか。この2つが決まると、マーケは「営業に渡した案件の数」を自分の数字として追えます。決まっていない会社では、商談になったかどうかが営業の手元にあり、マーケからは見えません。

役割を分けてから案件の数を数え始めた事例

トーテックアメニティの産業システム事業部は、官公庁から製造業、サービス業まで、幅広い業種にITソリューションを提供しています。営業部門しかなかった状態から、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスに役割を細分化しました。最初に目標にしたのは、1年後のセッション数や問い合わせ(CV)の数です。Webサイトからの問い合わせは、資料ダウンロードを含めて年4件から100件になりました。インサイドセールスを立ち上げてからは新規案件の数を数え、8か月で50件の案件を作っています。

出典:BowNow トーテックアメニティの事例

専任のインサイドセールスがいなくても、連絡と記録の決まりで案件を数えられる

この事例では、役割を分けたあとで、問い合わせの先にある案件の数を数え始めています。専任のインサイドセールスがいなくても、同じ形は作れます。たとえば「マーケが渡したリードに、営業が2営業日以内に連絡する」「商談になったら、営業が商談管理表に記録する」の2つを営業と決めれば、渡した件数と商談になった件数を毎月数えられます。

問い合わせ数をKPIにしたまま受注が増えず、営業に渡す件数をKPIにし直した事例は、「問い合わせ数」KPIの失敗例|KGIとつなぐKPI再設計 で紹介しています。連絡と記録の決まりがない状態で問い合わせの数を追っても、受注に届かない原因がどこにあるのかはわかりません。

まとめ

BtoB企業の事例では、マーケが数えられる範囲に合わせて、問い合わせ・案件・リードのどれかを追っています。立ち上げ期は問い合わせ件数から始め、営業との役割分担が決まると、案件の数を追えるようになります。リードの数を追うなら、受注までの数字とのつながりを確かめてから、KPIを1つに決めてください。

よくある質問

Q1. BtoBのマーケティング部門で、KPIにされることが多い数字は何ですか?

A1. 新規リードの獲得数です。BtoBのマーケ担当者への調査でも、部門が重視するKPIの1位は新規リード獲得数でした。ただ、リードの数を追う会社の事例では、商談や受注までの数字とのつながりもあわせて見ています。

Q2. 問い合わせ件数をKPIにしてもよいですか?

A2. マーケを始めたばかりで、商談をまだ数えられないなら、問い合わせ件数から始めて構いません。その場合は、問い合わせから生まれた商談を数える手段を同じ期に作ります。

Q3. 事例の会社のように、KPIを複数置いてもよいですか?

A3. 毎月追うKPIは1つにします。事例で複数の数字が挙がっているのは、成果を報告するために並べているためです。ほかの数字は、KPIを動かすための数字として、KPIツリーの下の段に置きます。

Q4. 業種が違う会社の事例も参考になりますか?

A4. なります。マーケが数えられる数字は、業種よりも売り方と体制で変わるからです。紹介中心か、展示会中心か、代理店経由か、マーケが何人いるかが近い会社の事例を選んでください。

この記事の執筆者

coconeco
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デジタルマーケティング立ち上げ・運用設計責任者

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