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BtoBマーケティング戦略の立て方|顧客の声からフレームワークを使う順番

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目次

マーケティングのフレームワークは数が多く、来期の戦略を一本の流れで説明できないまま、期初を迎えることがあります。必要なのは、フレームワークの知識よりも、施策を判断する軸を顧客の声から作る順番です。

この記事では、戦略がないと現場で何が起きるか、戦略で何が変わるかと、BtoBでフレームワークを使う順番を紹介します。

📌この記事でわかること
  • 戦略がないと、施策がどう決まり、何が積み上がらなくなるか
  • 戦略が決まると変わること(狙う顧客・訴求・コンテンツ・チャネル・リードの基準・予算)
  • 既存顧客のデータと声から始める、フレームワークの使う順番

マーケティング戦略がないと、施策が増え続ける

戦略がない会社でいちばん多いのは、持ち込まれた施策を受けるうちに、施策の数だけが増えていく状態です。

持ち込む人は、それぞれの立場で筋の通ったことを言っています。代理店は新しい広告のメニューを提案し、営業は目の前の商談に効く依頼を持ってきます。経営が、他社で成果の出た施策を勧めることもあります。どれも間違いとは言い切れないので、断る理由が見つかりません。とりあえず始めた施策は誰も止めないまま、来期に持ち越されていきます。

施策を持ち込む人と、マーケに起きることは、次のように整理できます。

持ち込む人その人が見ているものマーケに起きること
代理店提案できるメニュー、出稿の継続経営が提案に乗り、成果の見えない広告が続く
営業今月・今期の商談目の前の依頼が優先され、マーケの施策が後回しになる
経営会社の方針、他社の成功例方針は正しくても、施策に落とす基準がなく「うちも」が増える

経営の方針から施策が決まること自体は、自然な流れです。困るのは、その方針を施策に落とすときの基準が、マーケの側にないこと。基準がなければ、持ち込まれた案を、持ち込まれた順に受けるしかありません。

戦略が決まると、誰に・何を・どこで・いくらで届けるかが一本でつながる

戦略で変わるのは、施策の種類よりも、施策を動かす決めごとの中身です。

BtoBの施策は、記事や資料を作ってメルマガで届け、問い合わせを営業に渡すという型が、どの会社でも似ています。施策の一覧を他社と見比べても差が見えにくいのは、このためです。差が出るのは、狙う顧客、訴求、コンテンツ、チャネル、リードの渡し方、予算が、同じ顧客像でそろっているかどうかです。

戦略がないときとあるときの違いは、次のとおりです。

決まるもの戦略がないとき戦略があるとき
狙う顧客「製造業全般」など広く、購買に関わる人も決まっていない受注しやすい業種・規模と、担当者・上長・決裁者が決まっている
訴求「高品質」「実績多数」など、どの会社でも言えること顧客が選んだ理由を、顧客の言葉で言っている
コンテンツ検索されるキーワードを順に埋める記事と、毎回同じ記事・資料を紹介するメルマガ狙う顧客の検討の段階ごとに、テーマと送る相手を変える
チャネル勧められた広告やイベントに、順に出る狙う顧客がいる場所に絞り、合わないものには出ない
リードの基準と渡し方件数で渡し、営業から「質が低い」と言われるどんなリードを渡すかを、営業と決めている
KPIと予算施策ごとの件数を追い、予算は前年の延長受注につながる数字を追い、予算は施策の順番に沿って配る

このように戦略を施策へ落とし込むには、「誰に届けるのか」を具体的にする必要があります。そこで、ペルソナで顧客像を整理し、バイヤージャーニーで検討の過程を整理します。ただし、どちらも社内の想像だけで作るのではなく、実際の顧客データや声をもとに設計することが重要です。

関連記事:BtoBのバイヤージャーニー活用術|社内稟議を動かすコンテンツ設計と可視化の仕組み

📌参考:営業が挙げるマーケとの連携の課題は「リードの質」が最多

BtoBの営業職の74.0%が、マーケティングとの連携に課題を感じていました。営業側が挙げた課題で最も多かったのは、「マーケティングから連携されるリードの質が低い」(32.6%)でした。渡すリードの基準を戦略で決めていないと、リードの良し悪しは営業の物差しで判断されます。

出典:One Marketing「営業とマーケティングの連携」に関する実態調査(BtoB企業の営業職291名・マーケティング職209名の計500名、2024年11月14日〜17日実施)をもとに作成

フレームワークは、既存顧客のデータと声を聞くところから使う

フレームワークは、既存顧客を受注データで分け、選んだ理由を聞くところから使います。

よくある順番どおり3C分析から始めると、顧客の欄が社内の想像で埋まりがちです。顧客の見え方は部署や社歴によって違い、営業は「価格」、技術は「技術力」、古くからいる社員は「長年の付き合い」と、それぞれの答えを持っています。どれが正しいかは、顧客に聞かないと決まりません。

😄 私が以前いた制作会社では、選ばれている理由を「クリエイティビティ」だと考えていました。ところが顧客の声を聞くと、大規模なサイトを作った経験が多く、ページ数の多いサイトを任せられることが選ばれた理由でした。自社の強みは、社内で話し合うより先に、顧客に確かめるのが近道です。

使う順番と、それぞれで顧客から取り出すことは、次のとおりです。

順番使うもの取り出すこと
1RFM分析・ABC分析(受注データ)話を聞く相手(取引額が大きく、取引が続いている顧客)
2N1分析・ジョブ理論・失注分析顧客が選んだ理由(KBF)と、選ばなかった理由
33C分析・戦略キャンバス・VRIO分析顧客が選ぶ基準で見た、競合との差と自社の強み
4STP分析・ポジショニングマップ狙う顧客と、勝てる位置
54P分析訴求の一文と、施策の形
6クロスSWOT・RICE・ICE根拠のある施策案と、その順番

1でRFM分析を使うときは、顧客数が数十社以上ある場合に適しており、BtoBは取引の回数が少ないため、回数よりも取引額と取引の続いた期間を重く見ます。2では、選んだ1社の担当者と、上長や決裁者にも、選んだ理由を聞きます。1社の話で決めきれないときは、失注した見込み客の理由と並べて確かめます。

2を飛ばすと、3から先が、また社内の声の大きさで決まります。顧客の言葉がそろえば、3から先は、その言葉を物差しにして競合と比べられます。3Cのまとめ方は、3C分析のやり方|顧客・競合・自社からKSFを特定し、施策と予算の優先順位を決める で紹介しています。

5フォース分析やPEST分析は、業界の構造や外部環境の整理には役立ちますが、持ち込まれた施策を判断する材料になりにくいため、この順番には入れていません。

戦略があると、持ち込まれた施策を戦略と数字に照らして判断できる

戦略があれば、持ち込まれた施策に、根拠のある答えを返せます。答えは、やる、順番を入れ替える、条件をつけて試す、やらない、の4つから選べます。

判断のときは、次の3つを順に確かめます。

  • 狙う顧客に届くか
  • 顧客が選ぶ基準に効くか
  • 今の施策と比べて、受注への効き目と、かかる予算・工数で上回るか

3つ目は、施策ごとに受注への貢献を数字で見ていないと答えられません。予算の場でも同じで、売上への貢献やROIを数字で示せないと、予算は通りにくくなります。追う数字の決め方は、KPIの形骸化を解決|行動指標・評価まで一気通貫でマネジメント、予算の配り方は、マーケ予算案の作り方|来期の準備は何から?予算資料の8項目と作る順番 で紹介しています。

判断の軸は、決めた直後に経営と営業に伝えておきます。経営は時間を取りにくいので、始める前に問いを出してもらい、決めた後は確認だけをもらいます。現場だけで決めると小さくまとまりがちなので、営業など顧客と接する部署にも、顧客の声を出してもらいます。

経営会議と営業に、来期のマーケ戦略を説明するときの一文

来期の戦略は、そのまま伝えられる一文にしておきます。

  • 経営会議で:「来期は、既存顧客が選んだ理由をもとに〇〇の顧客に絞り、△△の施策はやめます。新しく持ち込まれる施策は、狙う顧客に届くかと、受注への効き目で判断します。」
  • 営業に:「受注した顧客に選んだ理由を聞き、その言葉で訴求とリードの基準を決めました。渡すリードの基準は、一緒に見直させてください。」

まとめ

戦略がないと、施策は頼まれた順に増え、狙う顧客のリードや顧客の言葉が積み上がりません。戦略で変わるのは、狙う顧客から予算までをそろえる中身です。フレームワークは既存顧客のデータと声から使い、持ち込まれた施策を戦略と数字で判断できる状態をつくります。

よくある質問

Q1. マーケティング戦略とフレームワークの違いは何ですか?

A1. 戦略は、狙う顧客、訴求、チャネル、予算をそろえ、施策を判断する軸です。フレームワークは、その軸を顧客の事実から作る道具です。埋めた表が施策の判断に使われていなければ、戦略にはなっていません。

Q2. 3C・SWOT・STP・4Pは、どの順で使いますか?

A2. その前に、既存顧客を受注データで分け、選んだ理由を聞きます。そのうえで3Cで競合と自社を比べ、STPで狙う顧客と位置を決め、4Pで施策の形にします。SWOTは、施策案を出して順番を付けるときに使います。

関連記事

3C分析のやり方|顧客・競合・自社からKSFを特定し、施策と予算の優先順位を決める

SWOT分析とクロスSWOTのやり方と例|社内に散らばる材料を集め、RICE・ICEスコアで施策の順番まで決める

4P分析とは?やり方・具体例をBtoBで解説|ポジショニングを施策に落とす方法

Q3. 既存顧客が少ない場合や、新規事業の場合はどうしますか?

A3. 取引のある顧客が数社でも、選んだ理由を聞く価値はあります。顧客がまだいない新規事業では、商談まで進んだ見込み客や、失注した相手に聞きます。データで分ける手順は省き、話を聞く相手を選ぶところから始めます。

Q4. 5フォース分析やPEST分析は使わなくてよいですか?

A4. 持ち込まれた施策を判断する材料になるなら使い、ならなければ外します。業界の構造や外部環境を整理できても、狙う顧客や予算が決まらないなら、優先度は下げてかまいません。

Q5. 兼務で時間がないときは、どこから始めればよいですか?

A5. 取引額が大きく、取引が続いている既存顧客を1社選び、選んだ理由を聞くところから始めます。そこで出た言葉を、訴求とリードの基準に反映するだけでも、施策の判断はしやすくなります。

この記事の執筆者

coconeco
coconecoLead Manager

デジタルマーケティング立ち上げ・運用設計責任者

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